|
|
【12月号】ワンポイントアドバイス |
◆増える中途就職者 年末調整で要注意
そろそろ年末調整に向けた準備を始めている会社も少なくない。年末調整で注意が必要なのが、年の中途で入社してきた社員、中途就職者の取扱いだ。平成19年分の年末調整では、所得税の定率減税が廃止され、税務処理上いくつか注意すべき点があるが、中途就職者“特有のミス”として増えているのが「住宅ローン控除」にかかるもの。
住宅ローン控除では、最初の年分については年末調整ではなく確定申告で控除を受ける。それ以降の年分については、年末調整の際に社員が「給与所得者の住宅借入金等特別控除申告書」を会社に提出すればよい。
しかし、中途就職者の場合は申告書の提出先が以前とは変わっているため、住所地の所轄税務署に申請を行い「控除証明書」の交付を受けなければならない。年末調整を行う際には、この証明書を「平成19年分の住宅借入金等特別控除申告書」に添付する必要がある。会社としても、中途就職の社員に対し、前もって準備しておくよう、指導することも大事だ。 |
◆配偶者・扶養控除 株式売買にも注意
主婦や退職後の高齢者が、働きに出たり不動産や株式投資などで収入を得ることがあるが、その人が扶養控除や配偶者控除の対象者となっている場合は注意したい。
扶養控除、配偶者控除の対象者は、合計所得金額が38万円以下の者。控除対象者の所得が38万円超になった場合、扶養控除や配偶者控除は受けられなくなる。ただし、給与所得には基礎控除額の65万円があるため、収入が給与だけの場合は103万円以下であれば引続き控除の対象となる。
不動産や株式の売却益など、譲渡所得や一時所得、不動産所得などがある場合は、それらの所得を含めた所得合計額が38万円超になると、控除対象とならない。
しかし、上場株式の配当や、1回の支払いが「10万円×配当計算期間の月数(最高12カ月)÷12」以下の少額配当について申告不要を選択した場合、源泉徴収のある特定口座での株式売却益、利子所得など源泉分離課税されるものについては所得金額に加算されない。 |
◆子会社への出向 給与補填に要注意
「有能な社員の交流で事業のさらなる発展を狙う」「社員のリストラの一環」など、企業が子会社やグループ会社へ社員を出向させる理由はさまざま。出向に際して、出向元と出向先の給与水準が同じであればよいが、異なる場合は格差補てん金で調整することもある。その場合、税務上の取扱いには十分な注意が必要。
たとえば、出向元である親会社が、出向先である子会社法人との給与条件の較差を補てんするため、出向者に対して差額分の給与を支給するケース。この場合、出向期間中であっても出向者と出向元法人との雇用契約が維持されていることから、差額分給与については、出向元法人の損金として扱われる。
また、@出向先法人が経営不振等で出向者に賞与を支給することができないため出向元法人が代わりにその出向者に賞与を支給する場合A出向先の法人が海外にあることから出向元法人が留守宅手当を支給する場合でも、給与較差補てん金として取り扱われることになる。
|
◆建物の維持管理費 資本的支出に注意
アパートやマンションの貸付けには、維持管理のための出費が付きもの。室内だけでなく、外壁や階段、エレベーターなど、あちこちに手入れが必要だ。
貸付け用の建物や、その建物に付属する設備・機械装置などの資産の修繕に要した費用で、通常の維持管理や修理のための支出は、修繕費として不動産所得の必要経費になる。しかし資産の使用可能期間を延長させたり、資産の価額を増加させたりする支出は、所得税法上「資本的支出」に該当し、減価償却で各年分の必要経費となる。
修繕費と資本的支出の区別は、修繕や改良という名目による区別ではなく、あくまで実質で判断される。
具体的には、@建物の避難階段の取付けなど、物理的に付け加えた部分の金額A用途変更のための模様替えなど、改造または改装に直接要した金額B機械の部分品をとくに品質または性能の高いものに取り替えた場合で、その取替えの金額のうち、通常の取替えの金額を超える部分の金額などの支出は、原則として資本的支出とされる。 |
◆救命機器「AED」 医療費控除OK
最近、多くの人が集まる駅構内や空港などでよく見かける「AED」。「自動体外式除細動器」と呼ばれる救命機器で、心筋梗塞などを発症した場合にこの機械で電気ショックを与え、迅速な救命措置を行うというものだ。
AEDの使用は従来、医師や救急救命士にしか認められていなかったが、突発的な心疾患で何よりも重要なことは、一秒でも早い救急処置。現実には、心筋梗塞になった患者が救急車を待っている余裕などない。こうした実情を踏まえて、平成16年からは非医療従事者にもAEDの使用が認められている。
心疾患の既往者がAEDを自宅に設置したり、携帯するために自分で購入、または賃借した場合、その費用は医療費控除が認められる。
ただし、AEDは心疾患患者以外のだれでも購入や貸借が可能であることから、医療費控除の適用を受けるには、診断書など医師の指示・処方に基づくものであることを明らかにする書類を添付して確定申告する必要がある。 |
| |