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【8月号】ワンポイントアドバイス |
◆中小倒産防止共済 税務で注目の理由
平成20年4月の企業倒産件数は1013件。前年同月比は24%増で、4ヵ月連続の増加となった(帝国データバンク調べ)。倒産は当該企業はもちろん得意先として売掛債権を持つ会社にも連鎖するだけに大きな問題だ。
倒産の増加に伴い、中小企業基盤整備機構が運営する「中小企業倒産防止共済制度(経営セーフティ共済)」による貸付高が増えていることも話題になっている。この共済は、加入後6ヵ月以上経過した会社の取引先が倒産した場合、一定の条件で売掛債権額などの範囲内で、積み立てた掛金の10倍(最高3200万円)まで無保証、無担保、無利子の融資を受けられる制度だ。
この共済、掛金や解約時の手当金に関する税務上の扱いから、節税策としても注目されている。同共済の掛金は、法人の場合、支払った金額が各事業年度の損金に算入できる。そして、益金となる解約手当金は、滞納などによらない任意解約の場合、納付月数が40ヵ月以上だと掛金の100%の額を受け取れるためだ。 |
◆中小企業の事業承継 円滑化支援を確認
2006年度版中小企業白書によれば、年間29万社の廃業のうち、後継者不在を第一の理由とする廃業が約7万社、雇用の喪失は毎年20万〜35万人に上ると警告している。
そこで中小企業庁は、日本を支える中小企業の雇用や技術の喪失を防止する観点から、事業承継円滑化を喫緊の政策課題に取り上げた。具体的には、@事象承継税制の抜本拡充A経営承継の円滑化に関する法律の立法化B事業承継支援センターの設立支援C事業承継円滑化のための制度融資……以上の抜本拡充などがその内容だ。
今回は、前記BとCについてその政策内容を検証してみたい。
(1)事業承継支援センターの設立支援
法人・個人事業主、親族内・親族外承継を問わず、あらゆる事業承継のニーズに対応したワンストップサービスを行うための支援で、「事業承継支援センター」を全国100カ所に設置する計画だ。具体的には長野事業承継支援センターをモデルケースとした開廃業マッチング支援をはじめ、常設のセンターにおける相談窓口の設置、専門家の派遣、企業と後継者の交流会、後継者育成セミナーなどを実施するのが主な内容。特に、専門家の派遣は、さまざまな事業承継にかかる相談に対応するため、税理士や弁護士などそれぞれの各分野の専門家を派遣することになっている。
(2)制度融資の抜本拡充
法人・個人事業主、親族内・親族外事業承継を問わず、事業承継に際してのあらゆる資金ニーズに応えるため、@法人による自社株式などの取得資金、A後継者個人による経営権安定のための資金、B後継者不在等の企業をM&A等により取得するための資金にかかる融資制度を、創設した。
また、貸付金利も、低利の特別利率を適用し、事業承継を行う中小企業者の負担を軽減している。(5年以内の貸付けの場合、20年1月時点で1.75%)。 |
◆リース会計が変わる 賃貸借か売買か
新リース会計基準が平成20年4月1日以後開始する事業年度から適用される。
原則としてファイナンス・リースは、売買があったものとして処理をし、オペレーティング・リースは賃貸借として処理をすることとされている。
ファイナンス・リースの会計処理
(1)平成20年4月1日以後に開始する事業年度から、リース資産として計上する一方、これにかかる債務をリース債務として計上することになる。償却期間はリース期間とし、残存価額はゼロとして、企業の実態に合った償却方法を選択適用できる。
(2)リース料総額のうち利息相当額は長期前払費用などとして計上し、利息法または定額法によりリース期間にわたり費用配分することになる。
(3)リース資産総額に重要性がない場合は、リース料総額から利息相当額を控除しない方法や、利息相当額を利息法でなく定額法で配分する簡便法が認められている。
※利息法とは…各期のリース債務残高に一定の利率を乗じて支払利息を計算する方法。
※定額法とは…利息相当額をリース各期に均等に償却する方法。
※リース資産総額に重要性がない場合とは…次の割合が10%未満の場合をいう。
未経過リース料残高÷(有形・無形固定資産
残高+未経過リース料残高)
(4)個々の資産に重要性がない場合は賃貸借として処理できる。
(例)・契約期間1年以内のリース取引
・1件当たり300万円以下の取引 |
◆研修旅行費用が給与となる場合
効率良く社員に技術などを学ばせるため、研修旅行を行う会社は多いが、社員の研修旅行費用を会社が負担した場合、給与として課税されることがある。
研修旅行費用が給与となるかどうかは、その旅行の条件を総合的に勘案して判定される。研修旅行が会社の業務を行うために直接必要であれば、その費用は給与として課税されることはない。しかし、直接必要でない場合には、費用は給与として課税されるわけだ。研修旅行費用に、会社の業務を行うため直接必要な部分と直接必要でない部分が両方ある場合は、直接必要でない部分の費用が参加社員の給与として課税される。
ただし、@同業者団体の主催する主に観光旅行を目的とした団体旅行A旅行のあっ旋業者などが主催する団体旅行B観光渡航の許可をもらい海外で行う研修旅行・・・これらの旅行はいくら研修といっても、原則会社の業務を行うために直接必要なものとはならない。 |
◆押さえておきたい 損害賠償金の税務
個人の損害賠償金などの取得原因については様々なケースがあるが、大別すると、@心身に加えられた損害に基因して取得するものA不法行為そのほかの突発的な事故によって資産に加えられた損害に基因して取得するものに分けられ、一般的には心身に加えられた損害に基因して取得する賠償金などは非課税となるものが多いようだ。具体的には次のようなものが挙げられる。
(1)給与または収益の補償
給与または事業主の休業期間の収益の補償として加害者から受けるもの。たとえば、自動車が自宅または店舗に突入するなどの事故によって勤務または業務に従事することができなかったことによる給与または収益の補償として受けるものなどがある。
(2)示談金、慰謝料など
交通事故などによる示談金、治療費、慰謝料など(精神的苦痛を伴うものも含む)の名目で受けるこれらの金銭の受け取りはいずれも非課税である。
(3)見舞金
いわゆる災害などの見舞金で相当の金額は非課税になる。
ただし、これらの損害賠償金などのうち、その損害を受けた人の各種所得の金額の計算上必要経費に算入される金額を補填するためのものは除かれる。たとえば、従業員の給与、一時借店舗の賃借料などがある。次に、不法行為、そのほか突発的に事故によって資産に加えられた損害に基因して取得する賠償金や見舞金だが、これも原則非課税となる。しかし、事業所得などの収入金額に代わる性質を有するものは課税である。具体的には次のようなものが挙げられる。
(4)たな卸資産など
たな卸資産の破損、特許権などの侵害による賠償金および補償金などは課税となる。
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