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【9月号】ワンポイントアドバイス |
◆外貨の財産評価 TTBで円換算を
海外に資産を持つ人が増えるなか、相続財産に外貨(現金)がある場合の取扱いが注目されている。とくに米ドルは世界中で流通しているため、被相続人の口座に残されていた、ということが少なくない。
金融機関の公表する為替レートには、対顧客直物電信売相場(TTS)、対顧客直物電信買相場(TTB)、外国通貨売相場(Cash Selling)、外国通貨買相場(Cash Buying)、一覧払い買相場(At Sight Buying)などがあり、外貨の円換算はどれを用いればいいのか迷うところだ。
財産評価基本通達によると、外貨建て財産の円換算は、TTBまたはこれに準ずる相場によることとされている。TTBは、外貨預金の支払いやトラベラーズ・チェックの買取りなどで適用される為替相場。通常、金融機関が外貨(現金)を円に交換する場合は、TTBから金融機関が現金保有コストなどを差し引いた外国通貨買相場を用いることが、財産評価では、統一的に金融機関が外貨を買って円で支払う場合のTTBで換算することになる。 |
◆メタボ検診で指導 医療費控除の条件
平成20年の税制改正で、「特定健康診査」により、高血圧症、脂質異常症または糖尿病と同等の状態であると認められる者が受けた、医師の指示に基づく診療または治療の対価は、一定の条件で医療費控除の対象とされることになった。
この、「特定健康診査」は本年4月からスタートした、いわゆる「メタボ検診」のこと。腹囲とBMIで内臓脂肪蓄積リスクを判断し、@血糖値A中性脂肪B血圧C喫煙歴の有無の4項目により「動機付け指導」あるいは「積極的支援」の必要性が判断される。控除の対象となるのは「積極的指導」が必要と判断された場合だ。
控除されるのは食事や運動などについての指導料の自己負担額や医薬品の購入費用など。また、特定健康診査の費用は医療費に該当しないが、審査の結果「積極的指導」の対象とされ、引続き診査を行った医師の指示に基づき指導が行われた場合、自己負担額が控除の対象となる。ただし、指導を踏まえスポーツジムへ入会した場合などの費用や、食品の購入費用は控除の対象とはならない。 |
◆長男が海外へ留学 扶養控除の適用は
アメリカの大学に留学している長男に、毎月相当額の仕送りを送金している場合、この長男は「扶養控除」の対象となるのだろうか。ちなみに長男は、現地でアルバイトも頑張っており、年間150万円程度の収入がある。
扶養控除に該当する人は、居住者と生計を一にする親族で、その合計所得金額が38万円以下の人とされている。このケースでは、長男は留学しており、親と日常生活を共にしていないが、生活費を送金していることから、実質的に長男は親と生計を一にしているものと考えられる(所得税法基本通達2-47)。
また、非居住者の場合の合計所得金額とは、日本で総合課税の対象となる国内源泉所得の金額をいう。そのため国外源泉所得はもちろん、国内源泉所得であっても非課税所得、分離課税とされる所得は合計所得金額に含まれない(所得税法2条1、同22条、同165条)。こうしたことから、長男のアルバイト収入は国外源泉所得であり、長男の合計所得金額はないことになるので、扶養控除の適用が受けられる(同84条)。 |
◆ふるさと納税開始 住民税は税額控除
4月30日の地方税法改正でスタートした「ふるさと納税」。そのネーミングから納税する自治体を自ら選択するイメージを持つが、納付する自治体を申告時に決めるわけではない。同制度の骨子は「寄付金税制」の拡充だ。
従来より、地方自治体へ寄付をした場合には所得税の寄付金控除が適用できる。地方自治体への寄付金は「特定寄付金」となり、特定寄付金の合計額(総所得金額の40%相当額が限度)から5千円を控除した金額を所得額から控除できる。
大きく変わるのが個人住民税の控除だ。寄付金額の5千円を超える部分について、個人住民税所得割のおおむね1割を上限として税額控除できる。税額控除のため、寄付額のかなりの部分が住民税から差し引かれ、実質的に納税自治体を選択したかたちになるわけだ。なお、平成20年中の寄付金については、平成20年分の確定申告により税額控除がなされ、住民税は来年21年度分の納付税額から減額される。申告時には自治体から発行される領収書が必要なことにも注意したい。 |
◆配布先不明の商品券 使途秘匿金扱い?
ビール券や商品券を交際費として贈答したものの、その相手方の氏名などを会社の帳簿書類に記載することなく放置していたら使途秘匿金になってしまうのだろうか。税務調査のなかでそのような指摘を受け、更正処分になったという事例がある。
更正の理由は、「商品券などの配付先をすべて管理している」といいながらその意味は発注控えを見れば配送先が判明するはずということにすぎず、それも紛失していたり発注先でもその原票保存が確認できないのだとしたら、もはや商品券などの購入の事実が推認されるということにとどまり、引渡しの事実及びその目的並びに相手方の特定ができない以上、交際費などであるのか否かさえ判断できないから、各支出を交際費などであると認めることはできない、ということであった。
使途秘匿金は、赤字法人であっても、その金額の40%もの法人税が別枠で追加課税される。対象となるのは、法人の支出する金銭などのうち、相当の理由がなく、相手先の氏名などを当該法人の帳簿書類に記載していないもの。その記載要件は申告書の提出期限において充足している必要がある。税務調査を受けたときに初めて使途を開示したいというのでは遅すぎるのである。
納税者の異議申し立てを受けて国税不服審判所が審理して出した判断は、次のような普遍性の高い内容のものであった。「企業が相手先を秘匿するような支出は、違法ないし不当な支出につながりやすく、それがひいては公正な取引を阻害することにもなるので、そのような支出は極力抑制する必要があるとの立法趣旨からすると、支出の時期や金額の多寡などからみて相当と認められる金品の贈答については、公正な取引を阻害することにつながるものではなく、相手方の住所・氏名まで一々帳簿書類に記載しないのが通例であると認められるから、その通例処理には相当の理由があると解され、相手方の氏名などを帳簿書類に記載しなかったことが秘匿するためであったか否かを判断するまでもなく、その引渡しは使途秘匿金の支出には当たらないというべきである。」順当な判断といえる。
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