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【11月号】ワンポイントアドバイス |
◆医療関連の支出 控除対象どこまで
税務上、医療費控除の対象となる医療費は、「医師による診療、治療の対価」などとされているが、自分で市販の医薬品を購入した場合、医療控除の対象となるのか、その判断に迷うケースもある。
たとえば、医師の処方や指示を受けずに薬局などで市販の風邪薬を購入したケース。こうした医薬品の購入費用は、治療に必要なものであって一般的に支出される水準を超えない部分の金額であれば控除対象(所得税法施行令207条)。ただし、漢方薬やビタミン剤は、治療に必要なものであること、医薬品であることが要件。単に疲労回復のサプリメントなどは対象外だ。
また、高血圧症のため、医師から指示を受けて、自宅で低カロリー・低塩分の食品による食事療法を行った場合、食品の購入費用は対象にはならない。医療費控除の要件はなかなか厳しく、「ぜんそくの患者」が医師に勧められて空気清浄機を自宅に取り付けた場合も、控除対象外とされている。もちろん医師に対する謝礼金などは原則として対象とならない。 |
◆国を挙げた事業寄付は全額損金
唐招提寺金堂(国宝)の解体修理がほぼ完了し、金道三尊のひとつ、千手観音立像が堂内に搬入された。東京国立博物館にも“出張”した本尊・盧舎邪仏坐像、奈良国立博物館で展示された薬師如来立像も近々、本来の住まいにお帰りになる。
この修復費用の寄付は、平成15年9月17日から同17年9月16日までのものは「指定寄付金」の対象。指定寄付金は財務大臣が指定、広く一般に募集され、教育、科学振興、文化の向上など公益の増進に寄与し、緊急を要するものが対象となる。寄付額は、法人は全額損金、個人は「特定寄付金」扱いとなり、ほかの特定寄付金との合計額から5千円を差し引いた額を所得控除できる。
唐招提寺の例のような期間を設けた個々の事業の指定は「個別指定」といわれ、財務省によると現在募集中の個別指定寄付金は、昨年2月から継続指定される伊勢神宮の第62回遷宮費用など6件。文化財保護の場合「国宝、重要文化財が指定の一応の基準」だ。ちなみに、指定は「その都度官報で公示し、一覧のかたちでは公表しない」という。 |
◆経営難で債務免除 欠損金との相殺も
会社が債務免除を受けた場合、その額は経済的利益、つまり「債務免除益」として益金に算入され、課税対象となる(法人税法22条)。たとえば、銀行が経営状況の厳しい会社に対して、経営再建を促すために債権5千万円を放棄したとする。債権放棄により会社は5千万円の“利益”があったとして、法人税の税率を30%としたならば1500万円の法人税が課税されるというわけだ(ほかに損益がないものと家仮定)。
しかし、経営が厳しくて債務免除された会社が1500万円もの税金を納めることは現実には難しいはず。債務免除が経営をさらに圧迫するようでは、銀行としても債権放棄した意味がない。
これに対し税務上、会社の欠損金、つまり赤字が生じた場合に一定の要件のもとに以後の事業年度で生じた債務免除益などの所得から控除できる。対象となる欠損金は平成13年4月1日以後に開始した事業年度に発生したもので、繰越期間は翌事業年度以後7年間。これにより債務免除益を上回る繰越欠損金がある場合は、課税所得と相殺されて税金は発生しないことになる。 |
◆会計上の前払費用 税務とどう違う?
企業会計原則における前払費用の規定
@一定の契約に従い、継続して役務の提供を受ける場合、
いまだ提供されていない役務に対し支払われた対価
Aこのような役務に対する対価は、時間の経過と共に次期以降の費用となる。
税法通達での短期前払費用の規定
一定の契約に基づき継続的に役務の提供を受けるために支出した費用のうち当該事業年度終了のときにおいてまだ提供を受けていない役務に対応するもので、@その支払った日から1年以内に役務の提供を受けるものAその支払った額に相当する金額を継続してその支払った日の属する事業年度で損金経理しているものB次期以降の収益との個別対応関係にある費用ではないもの。
両者の共通点と相違点
共に支払いを前提としているので、未払いの場合は前払費用にはならないが、支払いには手形支払いも含まれる。通達での前払費用の規定は、「時間の経過と共に次期以降の費用となる」ということに触れていない。そのためか、雑誌・新聞の購読料、インターネットの広告代金、野球のボックスシートチケット代金などについて、これらを短期前払費用に含めている解説もある。
通達規定@AB
税法でテーマになっているのは、損金算入可となる短期前払費用のみである。
通達@は、前払期間は最長1年との要求で、2年分を支払った場合には、未経過分の全額を資産勘定に計上しなければならないということだ。ただし、自賠責保険料は保険期間が最長3年だが、少額不追求として取り扱われている。
通達Aは、会計処理の継続性の要求で、毎月払契約の家賃を年払契約に改めることなく任意に年払いした場合など、不規則でも、常に支出時に費用処理をするということの要求である。なおこれは個別の項目ごとへの要求で、短期借入金利息は支払時損金、長期借入金利息は前払処理というようなことでもよいということだ。
通達Bの意味は、借入金を預金、有価証券などに運用するような場合には、支払利息と受取利息・受取配当金が個別対応関係になるので、期間の経過に応じた損金処理が要求されるということだ。 |
◆ねんきん特別便 どこを見るべき?
年金記録問題と「とくべつ便」
年金は平成9年1月に基礎年金番号制度が導入され、以降は一人一番号で年金記録が管理されている。それ以前は就職や転職、結婚などで複数の年金番号を持っている人がいた。これらのときの番号が基礎年金番号に全部統合しきれず「宙に浮いた年金記録」となっているのだ。
「ねんきん特別便」は、すべての記録にを照合し、整理・統合するために行われている。
年金記録が間違われやすい例
- 生年月日を偽って入社して会社でそのまま手続きしたケースや、氏名の振り仮名を間違えて届出してしまったケース
- 旧姓で厚生年金に加入していて、結婚退職した主婦が国民年金に変わったケース
- 結婚や離婚などで氏名が変わったケース
- 転職時に前の年金手帳を提出せず、新しい番号を取得したケース
- 転職、脱サラなどで厚生年金、共済組合、国民年金など加入する制度が変わったケース
- 学生が強制加入となった平成3年以降に学生であり、20歳を迎えた人が(当時学生納付特例制度がない時代)未納になっていたり、知らぬ間に親が保険料を納めてくれたりと本人が覚えていないケース
加入記録のここをチェック
- 資格を取得した年月日
20歳から強制加入となった人は20歳の誕生日の前日、就職では入社日。加入制度は一般的に学生ならば国民年金、勤めていれば厚生年金や共済年金になる。
- 資格を喪失した年月日
退職した日の翌日が資格喪失日となり、その日に転職していれば、転職先の資格取得日と同じ月日になる。加入月数、納付月数が合っているかをみる。
- 加入記録に空白期間があるとき
その間国民年金に加入していたのか、ほかに勤めていなかったかを思い出す。
誤りがあった場合は「訂正がある」に○を付け正しい記録を記入し、訂正がない場合は「訂正がない」に○を付け返送する。今回の特別便では、標準報酬(給料を等級で表したもの)の記載はないので、疑問を感じた場合には確認すること。 |
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